おぜクリ通信
新型コロナ感染症とインフルエンザ
おぜきクリニック 院長 小関雅義
新型コロナ感染症は第8波となり、やや新規感染者数も減少傾向ですが、インフルエンザも流行期に入り、患者数が増えることが危惧されています。
当院でも、新型コロナ感染症とインフルエンザに同時に罹患した患者さんがいらっしゃいました。もちろん両方に罹患した方が重症化しやすいのですが、ここでは、新型コロナ感染症とインフルエンザの違いを述べて、その対策を考えたいと思います。
新型コロナウィルス感染症もインフルエンザもウィルスによって引き起こされる疾患で症状も似ているところがあります。発熱 咳 鼻水 頭痛 咽頭痛 全身倦怠感などは程度の差はありますが、両疾患に現れることのある症状です。どちらの感染症も、症状の出ない人が一定の割合でいることもわかっています。
感染した人が咳をしたり、くしゃみをしたり、近くで話をしたりするときに排出される飛沫やエアロゾルがどちらも感染経路となります。
インフルエンザは、主に症状が出た人から広がると考えられていて、発症から3-5日間が最も感染力が強いようです。このため、学校などでは、「発症した後5日を経過し、かつ解除した後2日間を経過する」まで出席停止となっています。これに対し、新型コロナウィルス感染症は、症状が出る前から人に感染することがあり、発症する前後が最も感染力が強いと考えられています。発症後も感染力が強く、発症10日目くらいまでは人に移すことがあります。現在 自宅療養期間は7日となっていますが、その後も数日は周りに感染を広げないように注意しましょう。
新型コロナ感染症で重症化しやすい人は、以下のようになっていて、これは新型コロナウィルス感染症だけでなくインフルエンザにも共通点が多くあります。
- 65歳以上の高齢者
- 悪性腫瘍
- 慢性呼吸器疾患、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、脂質異常症、心血管疾患、脳血管疾患
- 肥満(BMI 30以上)
- 喫煙
- 免疫不全者(固形臓器移植後、免疫抑制薬・調整薬の使用、HIV感染症)
予防法については いずれも同じで、ワクチン 手洗い マスクが重要です。
今回の流行を経て、新型コロナウィルス感染症はインフルエンザに症状が次第に近づいてきていますが、新型コロナウィルス感染症かインフルエンザなのかは、これだけでは区別が困難なため、上記のような重症化リスクのある方は、早めに診断・治療のために医療機関を受診するようにしましょう。
いずれの感染症も、早めに受診して診断を受ければ有効な治療薬があります。
新型コロナとインフルエンザの違いを表にまとめましたので参考となさって下さい。