おぜクリ通信
暮れの大掃除
立石 八重子
私の田舎では 年末の大掃除は村中で一斉にやっていました。
朝早くから家族中が、息巻く感じで頭に手ぬぐいを巻き、動きやすい恰好をして、父親の号令とともに大除開始。家じゅうの畳を庭に出し、二畳一組で立てかけてバンバンと棒で叩いて埃を叩く。
畳の裏には戻すときのために目じるしが書いてある。畳を挙げた床下からは、落ちていた、小銭や、オモチャなどが出てくる。敷いていた新聞紙を思わず読んでしまう。
笹の枝で高いところのすす払い。
床は 柿渋で祖母が磨きをかけて、いつもピカピカに光っていました。
お昼は、納屋で母が作ったおにぎりや、手作りのお新香を食べたり。子供だった私たちは大人の大変さはわからず、いつもと違う光景に、楽しくなってワクワクしていたものです。
村中での大掃除なので このときに、下水道の消毒も一斉に行っていたようで、意外と田舎でも衛生環境に頑張っていたんだなあと思います。
そういう時に、いなくなる姉もいて私は探しに行かされました。
そんなことも楽しい思い出。でも、逃げ出した本人は、全く覚えていませんでした( ´∀` )
大掃除が終わると、大晦日に向けて、いろんな行事が行われました。
餅つきをした日には、年取りイワシを食べて、お正月に向けて準備がすすんでいきました。
子供の頃の思い出は、懐かしく、キラキラした太陽のもとで、いつまでも生きています。
でも、もっといろいろな行事があったのに、家を離れて、大切な行事を忘れてしまっていることに気づいてしまった。まだ、元気なうちに、姉たちに話を聞かなきゃ;
お豆腐屋さんも、お魚屋さんも自転車で売りに来ていました。昭和の時代の話です。